生活習慣病

生活習慣病とは

生活習慣病は、不健全な生活を長年にわたって続けることによって起こりうる疾患の総称です。多くの方は、栄養バランスのとれた食事、適度な運動、タバコやお酒を控える、ストレスをためない生活が重要だと分かっています。しかし、なかなか実践できないものです。

厚労省の統計によると、わが国では高血圧症の有病者数が約3,100万人、高脂血症が約3,000万人、糖尿病が約740万人と推計されており、この3疾患のいずれかに罹患している方は総人口の47%にも達しているのです。

生活習慣病リスクを高める要因

偏った食習慣(高カロリー、高脂肪食など) 運動不足 喫煙 ストレス 睡眠不足 遺伝的要素 など

偏った食習慣

食生活の欧米化に伴い、高カロリー、高脂肪の料理が増えています。また、外食のときなどは、主食(ごはんやパン、麺類など)と主菜(肉や魚)のみで済ませ、副菜(野菜など)を十分に食べずに済ませてしまう方も多いようです。このような食事を続けていると、カロリーオーバーで肥満になるだけでなく、脂質異常症や糖尿病などの原因ともなりかねません。

塩分の摂りすぎにも注意が必要です。日本人の1日の平均食塩摂取量は11~12gと言われていますが、目標値は1日6g未満です。達成が難しい数値ですが、酸味や香辛料などを取り入れ、少しずつ塩分を減らしていくようにしましょう。

運動不足

現代の社会は、交通網も発達していますし、仕事や家事の際にあまり身体を動かさずに済むことも多くなりました。そのため、自ら積極的に運動などを行わないと、体力や全身持久力が低下し、身体活動量が減少してしまいます。
そのような生活を続けることも、高血圧や肥満などの生活習慣病の発症リスクを増大させてしまいますので、適度な運動を心がけるようにしましょう。
ところで、厚労省の統計によると、高血圧性疾患の患者数(人口10万人当たり)は、都道府県によって2倍以上の格差がありますが、大阪府在住の方は非常に少ない状況で推移しています。糖尿病の患者数も非常に少ない水準です。中性脂肪や悪玉コレステロール値に関しては、全国平均よりやや少なめの状況です。
このように大阪府で生活習慣病の患者数が相対的に良好な理由については、必ずしもよく分かっていません。しかし、「バランスの良い食生活を心がけたり、日頃から積極的にウォーキングなどを行っているからではないか」などの指摘が為されています。

喫煙

煙草の害については、広く認知されており、喫煙率も低下傾向です。しかし、依然として喫煙されている方も少なからずいらっしゃいます。
煙草には非常に多くの有害物質が含まれています。代表的な「ニコチン」は、糖代謝や脂質代謝に異常を来たしますので、糖尿病などを引き起こしやすくなるのです。また、中枢神経にも作用し、心臓や血管に急性・慢性の障害を起こすこともあります。

このような方に受診をお勧めします

  • 健康診断などで検査数値の異常を指摘された
  • 20歳のころよりも体重が10㎏以上増えた
  • タバコを吸う
  • お酒をよく飲む
  • 清涼飲料水を常飲している
  • 定期的な運動を殆どしていない

  • 移動の際には車を使うことが多く、あまり歩かない
  • ストレスが溜まっている
  • 睡眠時間が不足している
  • 脂っこい料理をよく食べる
  • 濃い味付けが好きで、塩分を摂りすぎる
  • 満腹になるまで食べてしまう
  • など

主な生活習慣病

糖尿病 高血圧 脂質異常症 など

糖尿病

高血圧

血圧の高い状態によって血管内に過度の負担が生じると、血管が傷ついたり硬くなったりして動脈硬化を起こしやすくなります。このような状態が慢性的に続くものが高血圧症です。
高血圧となる原因は特定されていませんが、塩分摂取、肥満、喫煙、環境、遺伝、ストレスなどの要因が複雑に絡み合って血圧が上昇していくのだと考えられています。
血管(動脈)が高い圧力にさらされ続けると、血管壁が傷ついて動脈硬化が進行していきます。血圧が高くても自覚症状がないことも多いため、ついつい放置しがちですが、動脈硬化や心肥大によって重大疾患のリスクが増していくのです。健康診断などで高血圧が分かったときは、お早めに医療機関を受診するようにして下さい。
男性では高血圧症を放置すると勃起機能障害(ED)を引き起こすことがあります。

脂質異常症

血液中のLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪(トリグリセリド)の値が慢性的に高い状態、もしくはHDL(善玉)コレステロールの値が低い状態です。コレステロールやトリグリセリドは私たちの身体の健康を維持するために必要な脂質なのですが、過度に増え過ぎたりすると様々な病気の原因となってしまうので、注意が必要です。
放置していると、心筋梗塞や脳卒中など、命に関わる病気にもかかりやすくなります。そのような状態をまねかないようにするには、食事に気を付け、運動も適度に行うことが大切です。特に、肉の脂身やバターなど、脂質の摂り過ぎには気を付けるべきです。お酒も飲み過ぎると中性脂肪を増やしますので、ほどほどにしましょう。

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