消化器内科

消化器内科とは

食べ物を口に入れてから排泄されるまでの器官(食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肛門)と、それに連なっている臓器(肝臓、胆嚢、膵臓など)を消化器系と呼びます。本診療科は、これらの消化器に生じた病気について、主に内科的な治療を行います。
消化器は、それぞれの臓器ごとに多くの疾患があり、この中には早期に治療を行わないと命を失いかねないものが幾つも存在します。手遅れにならないよう、消化器内科医のもとで検査を受け、疾患ごとに適切な治療を行っていくことが大切です。
当クリニックの消化器内科では、患者さまの症状を見極め、必要な検査を行うとともに、高度な医療機関にて専門的な治療が必要となるケースでは、各専門病院をご紹介いたします。下記のような症状が見られる方は、お早めに当クリニックを受診ください。

このような症状の方はご相談ください

  • お腹の調子が悪い状態が続いている
  • 胃が痛い(痛みが引いても、しばらくして痛みがぶり返してくる)
  • 胃がもたれる
  • 吐き気をもよおす
  • 胸やけがする
  • 食後に背中が痛くなる

  • 便秘がち、下痢を繰り返す
  • 血便が出た
  • 身体の皮膚や粘膜が黄色くなった(眼球の白目が黄色くなった)
  • 食欲がない
  • 体重が急激に減少した
  • 顔色が悪いと言われる
  • など

消化器の主な疾患

下線のある疾患名をクリックしていただくと詳しい説明がご覧いただけます。

消化器疾患

など

肝臓疾患

など

胆膵疾患

など

当院院長は胆道学会と膵臓学会の認定指導医の資格を有しています。この2つの資格を有する開業医は多分、日本で一人だけです。消化器内科でも少しマニアックな領域ですが、膵癌は年々増加しており2020年の統計では本邦で死因となる癌の第4位となっております。胆膵領域の疾患は早期発見、診断がなかなか難しく、日々の診療の中で鑑別診断として挙げられるかどうかが大切です。
腹痛、体重減少や肝機能障害、糖尿病の急激な悪化などの症状がある方は早目にご相談下さい。

消化管疾患

逆流性食道炎

胃で消化している途中の食物が食道に逆流し、食道が炎症を起こす疾患です。食道内にびらん(粘膜のただれ)や潰瘍が出来てしまい、胸のあたりに痛みなどが出ます。

本来、食道と胃の接続部分には下部食道括約筋があり、食道に胃液が逆流することを防いでくれます。しかし、加齢などによって筋力が低下してくると、胃の中の食べ物が食道に戻ってきてしまうのです。もともと日本人には少ない病気でしたが、食生活の変化などによって患者が急増しています。

【主な症状】

胸やけ、酸っぱい液体が口まで上がってくる、胸が締め付けられるような痛み、咳などです。このような症状がある場合は、内視鏡検査などを行い、確定診断します。

急性胃炎

胃の粘膜に何らかの炎症が起こり、急激に腹部の上部が痛んだり、吐き気をもよおしたりする病気で、ときには吐血などを伴うこともあります。

【主な原因】

精神的なストレス、辛い物やお酒などの飲食、食中毒による感染症、ステロイド薬や鎮静剤などの服用、さらにはアレルギーに起因するものなど、多岐にわたっています。激しい嘔吐や腹痛があるときは、速やかに当院を受診ください。

慢性胃炎

胃酸を分泌している腺細胞が委縮を起こし、それが修復されず慢性化し、次第に進行していく胃粘膜の病気です。急性胃炎とは異なり、自覚症状がなく進行することがあり、注意が必要です。食べ物などの刺激で胃粘膜が損傷し、その傷が癒えずに重篤な疾患になってしまうこともあります。
なお、慢性胃炎が発症する理由として、現在ではヘリコバクターピロリ菌による感染が強く指摘されています。自覚症状が少なく、医療機関を受診しない方もいらっしゃいますが、一度、ピロリ菌の検査を受けてみることも大切です。

胃潰瘍

胃液によって胃粘膜が傷つけられ、潰瘍となる病気です。食後にお腹の痛みを感じる、胸やけや、げっぷが出る、吐き気や嘔吐がある。このようなときは、胃潰瘍が疑われます。

【主な原因】

以前は、暴飲・暴食や精神的ストレスによって起こると思われていました。確かに、お酒の飲み過ぎやストレスは胃に負担をかけます。しかし、胃潰瘍になる最も大きな原因はピロリ菌感染と一部の飲み薬です。胃内にピロリ菌が棲みつくことや、解熱鎮痛剤、非ステロイド性抗炎症薬の副作用として、胃の粘膜が荒れやすくなるのだと考えられています。

【主な症状】

心窩部の痛み、背中の痛み、腹痛、吐き気、胸やけなどが上げられます。

ピロリ菌感染症

ヘリコバクターピロリ(ピロリ菌)と呼ばれる細菌によって引き起こされる感染症です。ピロリ菌に感染すると、適切な除菌を行わない限り、その菌が胃の中に住み続け、胃がんや胃潰瘍、慢性胃炎などの原因となるのです。特に、幼少期に衛生状態のあまり良くなかった環境で生活していた方が感染しているケースが多く見られます。

ピロリ菌に感染していても、殆どの方は目立った症状が現われません。早期の胃がんでも自覚症状があまり見られません。しかし、胃もたれ、胃部の不快感が生じた場合、ピロリ菌感染の可能性があります。

平成25年からはヘリコバクターピロリ感染胃炎に対する除菌療法が保険適用になり、殆どの患者さまは健康保険で除菌することが出来ます。これによって将来の胃がんリスクなどを軽減させることが出来ますので、健康診断でピロリ菌感染を指摘された方は、早めに除菌療法を受けることをお勧めいたします。

ピロリ菌検査について

ピロリ菌に感染している方は、萎縮性胃炎を引き起こし、胃癌を発症しやすくなることが分かっています。また胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃ポリープなど様々な消化器疾患のリスクが高くなると言われています。
現在、保険診療においてピロリ菌の検査を行うには、内視鏡検査が必須となっています。内視鏡検査にて慢性胃炎(特に萎縮性胃炎)を認めた場合にはこの病原菌への感染が疑われるため、ピロリ菌検査を行うことがとても重要となります。幾つかの検査方法がありますが、当クリニックでは主に尿素呼気試験、血液検査、内視鏡での生検検査を行っています。

尿素呼気試験

検査の精度が高く、かつスピーディーに行えるため、ピロリ菌検査として広く採用されている試験法です。まず息を専用のバッグに吹き込んだ上で、尿素を含んだ診断薬を内服します。それからもう一度、息をバッグに吹き込み、服用前後の呼気に含まれる二酸化炭素の量を比較するのです。
ピロリ菌がいると特定の二酸化炭素が多く発生するため、この数値を測定することによりピロリ菌の除菌が必要かどうか判断できます。

血液検査

ピロリ菌に感染すると、この菌に対する抗体が血液中に産生されます。そのため、血液検査によってこの抗体の量を測定することによってピロリ菌感染の有無を測定できます。

内視鏡検査

内視鏡を用いたピロリ菌の検査方法には、ピロリ菌が産生するアンモニアによる反応を試薬によって調べる「迅速ウレアーゼ法」、胃粘膜の組織標本に特殊な染色をしてからピロリ菌の有無を顕微鏡で確認する「組織鏡検法」、胃粘膜の組織を培養してピロリ菌が増加するか調べる「培養法」があります。

ピロリ菌の除菌

上記の検査により、ピロリ菌の存在が確認された場合、必要な治療を行うことになります。具体的には、胃酸の分泌を抑制する薬剤と、2種類の抗生物質を1週間ほど服用して除菌いたします。現在、保険診療に置いて可能なピロリ菌の除菌療法は一次除菌と二次除菌があり、9割程度の人が成功すると言われています。稀に二次除菌でも除菌不成功となる方がいらっしゃいますが、保険診療外の自費での治療は受けていただくことができますので、ご相談ください。

除菌後の注意

『ピロリ菌は除菌をすればOK』・・・ではありません!ピロリ菌による慢性胃炎が存在する場合、胃癌発症のリスクは生涯続きます。ピロリ菌の感染経路については未だ完全に解明されていません。昔は井戸水をそのまま飲んでいたため、や親から子供(赤ちゃん)に咀嚼したものを食べさせていたことなどが原因とも言われていますが、明らかではありません。概ね、幼少期に感染していると言われており、ほとんどの人が何十年も胃粘膜に炎症が起こっていたことになります。そのため、除菌に成功したとしても、胃粘膜の炎症はすぐには良くならないため、除菌後も内視鏡検査による定期的な経過観察が必要です。胃炎の程度によって1〜2年に一度の定期検査をお勧めしています。胃癌は早期であれば内視鏡での治癒切除が可能です。院長は実際に早期胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)も大阪労災病院にて施行しているため、検査から治療まで一貫して担当することも可能です。定期的な検査をお勧めする上で、楽に検査を受けていただけるよう、当院では経鼻や鎮静での内視鏡検査を行なっています。

胃がん

胃の壁の最も内側にある粘膜内の細胞が、何らかの原因でがん細胞に変化する病気であり、日本人に多く見られるがんのひとつです。早期の段階では、それ自体による症状は無いため、多くは健康診断や人間ドックの際に発見されます。

他のがんと同様、胃がんも早期発見が重要であり、早期の段階で治療を行えたならば治癒率は9割を超えています。しかし、進行すると治療が難しくなりますので、毎年、定期的に健診を受け、早期発見・早期治療を心がけるようにしてください。

また、胃の中にピロリ菌が存在している場合、胃がんの発生リスクが高まります。この菌がある方は、消化器内科の専門医のもとで除菌することをお勧めいたします。

十二指腸潰瘍

十二指腸の粘膜に潰瘍ができる病気です。胃酸によって粘膜がただれたり、削れてきたりし、十二指腸の入り口付近で発症することが多く見られます。十二指腸の壁は胃壁よりも筋層が薄いため、深部まで痛んでしまい、出血や穿孔を起こしやすいので注意が必要です。

【主な原因】

特にピロリ菌が問題となっています。ピロリ菌が長年にわたって棲みつき、これにストレスや喫煙、薬剤などの要因が加わることによって十二指腸潰瘍となるのです。

【主な症状】

潰瘍ができることによる上腹部の痛みが最も多く、特に夜間や早朝などの空腹時に起こります。食物を食べると痛みが緩和するのですが、病気が治ったわけではありませんので、お早めに消化器内科を受診するようにして下さい。

十二指腸がん

十二指腸に発生する非常に珍しいがんです。そもそも小腸のがん自体が希少であり、国立がん研究センターの集計値でも、新たに診断される患者数は1年間に約3千人となっています。このうちの半数弱が十二指腸がんです。

十二指腸がんの多くは、早期では自覚症状が見られません。しかし、進行するにつれて腹痛や腹部膨満感、悪心、嘔吐、貧血、血便などが起こります。

【主な原因】

高脂肪性の食事、クローン病や小児脂肪便症などの病歴が指摘されていますが、研究が進んでいない部分もあります。詳しくは当クリニックの担当医師までご相談ください。

大腸ポリープ

大腸粘膜の表面から突出した隆起を大腸ポリープと呼びます。この約8割を占める腺腫は、将来的にがん化する可能性がありますので、早めに取り除く必要があります。これを切除するため、開腹手術や腹腔鏡手術が必要となることもありますが、リンパ節への転移の可能性がほとんどないタイプの場合は、内視鏡を用いることによって切除することが出来ます。

具体的には、ポリペクトミー(ポリープの根元にワイヤー(高周波スネア)を引っかけて焼き切る方法)、内視鏡的粘膜切除術(粘膜の下に薬液を注入し、病変を持ち上げてワイヤーをかけて切り取る方法)、内視鏡的粘膜下層剥離術(専用の電気メスで病変の周囲粘膜を切開し、少しずつ剥離して切除する方法)などが行われます。

大腸憩室炎

大腸の腸管内壁の一部にできた憩室に炎症が起こる疾患です。大腸のあらゆる部位に出来ますが、特にS字結腸で多く見られます。

大腸憩室炎になると、左下腹部の痛み、下痢、疝痛、悪寒、発熱、排便障害などの症状が出現します。憩室が破れると、細菌や血液などが腹腔に漏れ出し、感染症を引き起こすこともあります。重篤なケースでは腸管壁が破裂することもあり、その場合は緊急手術を行ないます。

【主な原因】

主に大腸内圧の上昇が考えられますが、これは食生活が影響しています。長年にわたって食物繊維の少ない食生活を続けていると、腸管の萎縮が起こりやすくなり、これに伴って腸の内圧が高くなるのです。加齢に伴ってリスクも増えていきますので、バランスの良い食事を心がけるようにしましょう。

大腸がん

大腸の粘膜から発生する悪性腫瘍です。がんは様々な臓器にできますが、その中でも患者数が最も多いのが大腸がんであり、死亡数も肺がんに次いで第二位を占めています。隆起型と陥没型に大別できるのですが、このうち陥没型は腸壁内層に深く浸潤していき、極めて速く進行しますので注意が必要です。

【主な原因】

大腸がんの発生は、生活習慣に関わりがあるとされています。加工肉などの摂取、過度の飲酒、喫煙、肥満などは大腸がんのリスクを高めるので、改善に努めましょう。

【主な症状】

他の幾つかのがんと同様、初期の段階ではほとんど自覚症状が見られません。しかし、進行するにつれて下血、血便、便秘、下痢、残便感、腹部の膨満感、腹痛、貧血、腸閉塞など、幾つもの症状が出るようになります。

機能性胃腸症(機能性ディスペプシア)

胃の痛みや膨満感など、胃の不快な症状が続いているにもかかわらず、内視鏡などで胃腸の粘膜を調べても異常が見られない病気です。胃痛などを引き起こす器質的な疾患がないのに、食後の胃のもたれ、早期満腹感、みぞおちの痛み、みぞおちの焼ける感覚が見られた場合は、この疾患が疑われます。そして、このような症状が6か月以上前からあり、3か月以上も持続しているときは機能性胃腸症の診断となります。

【主な原因】

胃などに対する物理化学的ストレスに加え、心理的ストレスも作用していると考えられています。もっとも、なぜ発症するのかについては、いまだに明確とはなっていません。

過敏性腸症候群(IBS)

大腸や小腸には明らかな病変(炎症、潰瘍など)は見られないのに、下痢や便秘などを繰り返す慢性的な消化管疾患を総称して「過敏性腸症候群」と呼んでいます。

【主な症状】

下痢や便秘、腹痛、下腹部の張りなどです。症状が重くなると、電車やバスなどの中で急に便意を催したり、学校や会社に行けなくなったり、外出を控えるようになり、生活の質が低下します。原因に関しては、アルコールの過剰摂取、暴飲暴食、精神的な不安、緊張、ストレス、疲労などが考えられます。

潰瘍性大腸炎

はっきりとした原因は不明ですが、大腸の表層粘膜にびらんや潰瘍ができる疾患で、国の指定難病となっています。血便や下痢、腹痛などが長引いているときは、この疾患が疑われます。

【主な原因】

過度なストレス、アレルギー、自律神経の失調などが考えられ、基本的には薬物による治療が行われます。しかし、薬物による効果が見られないとき、がんを合併したときなどは、手術が行われることもあります。

肝臓疾患

B型肝炎

B型肝炎ウイルスに感染することで発症するウイルス性の肝炎です。日本では約150万人の保有者がおり、そのうちの5%は肝炎を発症すると言われています。放置していると、慢性肝炎、肝硬変、肝臓がんへと進行することがありますので、早めに医療機関を受診し、必要な治療を進めておくことが重要です。 B型肝炎は、このウイルスに感染している人の血液や体液を介して感染します。具体的には、母子感染、性交渉、ピアスの穴あけや刺青などでの消毒不足などがあげられます。近年、特に目立っているのは性交渉による感染です。

【主な症状】

倦怠感、疲労感、食欲低下、嘔吐、腹痛、黄疸、関節痛などがあります。

C型肝炎

C型肝炎ウイルスによって引き起こされる肝炎です。輸血による感染のほか、B型肝炎と同じように針刺し事故、刺青、ピアスなどで感染するケースがあります。

【主な症状】

B型肝炎と同様、全身の倦怠感や食欲不振、嘔吐などが目立っています。

アルコール性肝障害

アルコールを飲み過ぎると、まず最初にアルコール性脂肪肝のリスクが高まります。この脂肪肝が見られるにもかかわらず、さらに大量の飲酒を続けると、アルコール性肝障害を発症します。飲酒を控えないでいると、肝硬変のリスクが非常に高まりますし、肝性脳症や肺炎、急性腎不全などの合併症を引き起こすこともありますので、十分に注意することが大切です。

脂肪肝

肝臓に中性脂肪が過剰に蓄積された状態です。通常、肝臓に含まれる脂肪の湿重量は5%前後なのですが、過度の飲酒などによって脂肪が蓄積されていき、30%以上になると脂肪肝と呼ばれます。肝硬変などとは異なり、肝臓は可逆的な状態にあるため、大したことはないと軽視されることもありますが、内臓脂肪の蓄積やインスリン抵抗性などの因子が加わることで心血管疾患の発症リスクが相乗的に高まるので注意が必要です。

【主な原因】

脂肪肝を引き起こす最大の原因は、過度の飲酒だと言われています。さらに、肥満、インスリン抵抗性、炭水化物の過剰摂取、一部の薬剤使用、摂食障害、代謝異常なども一因となります。

肝硬変

慢性の肝障害が進行した結果、肝細胞が壊死して再生していく過程で線維化し、肝機能が低下した状態です。肝臓は非常に再生能力が高い組織なのですが、肝硬変にまで進行すると、一般的には非可逆的だと考えられています。

【主な原因】

肝炎ウイルス感染が考えられます。この他、アルコールの大量飲酒によって起こることもあります。

【主な症状】

全身の倦怠感、疲れやすい、食欲不振、微熱、下肢のこむら返り、痒み、皮膚の赤み、食道静脈瘤、黄疸、腹水、下腿浮腫、行動異常など多岐にわたります。

肝がん

肝臓に発生した悪性腫瘍の総称です。肝臓の実質である幹細胞から発生する肝細胞がんのほか、胆管から発生する胆管細胞がん、肝芽腫などがあります。

【主な症状】

沈黙の臓器と呼ばれている肝臓に出来ることもあり、初期には自覚症状がほとんどありません。医療機関での人間ドックや、他の病気の検査のときに偶然発見されることも少なくありません。がんが進行した場合は、腹部のしこり、圧迫感、痛みなどが出ることもあります。

胆膵疾患

胆管がん

胆管に生じるがんであり、肝内胆管がんと肝外胆管がんに分けられます。

【主な症状】

胆管内腔が閉塞するために起こる黄疸です。この他、皮膚のかゆみ、白っぽい便などがみられることもあります。

胆嚢がん

胆嚢と胆嚢管に出来るがんです。初期ではほとんど自覚症状が見られませんが、進行するに伴い、右わき腹の鈍痛、黄疸、食欲不振、吐き気、嘔吐、腹部の膨満感などが出現します。

乳頭部がん

十二指腸の中心付近に位置する乳頭部に発生する悪性腫瘍です。胆汁と膵液の通り道が塞がれることが多くなるので、黄疸や膵炎などの症状が見られるようになります。

先天性胆道拡張症

先天的に肝臓と十二指腸との間の胆管が拡張している疾患です。これによって胆汁の流れが悪くなり、黄疸、白っぽい便、腹部のしこりなどの症状が起こります。

胆石症

胆汁の成分が胆管の中で固まり、胆嚢や胆管に胆石が出現する疾患です。胆石のある場所によって、胆石症(胆嚢)、総胆管結石症(胆管)、肝内結石症(肝臓内)に分けられます。
胆石が出来ても6~7割は特に目立った症状は出ません。しかし、残りの3~4割は胆石発作と呼ばれる激しい腹痛が起こるため、救急搬送されるケースも少なくありません。腹部の疼痛のほか、吐き気や倦怠感などの症状が見られることもあります。

【主な原因】

最近はコレステロール胆石が目立っています。すなわち、胆汁の中に溶けたコレステロールの濃度が高くなり過ぎるために胆石が出来てしまうのです。この他、ビリルビンカルシウム胆石や黒色胆石が出来ることもあります。

膵臓がん

膵臓に出来る悪性腫瘍です。初期の段階では自覚症状がなかなか見られません。しかも、周囲の血管や神経に広がることが多いため、発見したときには膵臓がんが進行しているケースが少なくないのです。再発率も高く、極めて注意が必要ながんと言われています。

【主な症状】

初期には目立った症状がないのですが、進行すると背部痛、黄疸、体重減少、糖尿病の急激な悪化などが起こります。

【主な原因】

喫煙や糖尿病との連関性を指摘する見方もありますが、詳しいことは明らかになっていません。

腫瘍性膵のう胞

膵臓で作られた膵液を十二指腸へと流す膵管の粘膜に腫瘍細胞ができ、粘液が膵内に溜まって袋状になったものが腫瘍性膵のう胞です。膵管内乳頭粘液性腫瘍、粘液性のう胞腫瘍、漿液性のう胞腫瘍などがありますが、最も多いのは膵管内乳頭粘液性腫瘍です。

【主な症状】

無症状のことも多いのですが、みぞおちや背中の辺りに痛みが起こることもあります。

【主な原因】

発症の原因に関しては、はっきりしていませんが、慢性膵炎、肥満、喫煙、飲酒などがリスク要因とされています。

慢性膵炎

長期間にわたって膵臓の炎症が続くことにより、膵臓の機能が徐々に衰えていく病気です。膵臓から分泌される消化酵素が膵臓自身を溶かしてしまったり、膵臓の細胞を破壊してしまったりします。

【主な原因】

長期間にわたってお酒を飲み過ぎることが影響していると考えられます。その他、胆石やストレス、遺伝的な要素も一因となります。

【主な症状】

慢性膵炎になると、腹部や背中に痛みが生じやすくなります。さらに疲れやすくなったり、糖尿病に罹りやすくなったりします。

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